Guest House KURA

日中関係が悪化している中、
中国の貴州より研修生が1週間蔵に滞在してくれました。

今から約7年前、私は中国にいた。
2年間中国の高校や専門学校で日本語を教えた。
ちょうどその時も、反日デモが中国各地で起こり
日中関係は冷え込んでいた。

わたしが教えていた学生の携帯にも
日本製品不買運動のメールが連日届き
「先生、こんなメール来てるんだよー」と
教えてくれる学生もいた。
わたしはその当時、NHKワールドを毎日見ていた。
海外で見られるNHKの番組。
もちろん、放送されるのは反日デモの様子ばかり。
大使館前で叫んでいる様子や、
日本車が荒らされている様子など、
放送されるのは反日の様子ばかり。
そういう人や行動があるのも事実だけれど
それは本当に一部のこと。
でも、あの放送を見ているとまるで中国にいる
中国人みんなが反日感情を抱いているかのように感じてしまう。

でも、本当はそうじゃない。

報道では決して流れることのない、
中国と日本の関係改善を心から願ってくれている
そういう人を私はたくさん、本当にたくさん知っている。

今回蔵に泊まってくれたゲストもその一人。
彼は中国の歴史も、日本の歴史にもとても詳しかった。
わたしが中国で出会った10代～30代の中国の人は
天安門事件など知らないのが当たり前だった。
学校では習わないという。
でも、彼は知っていた。日本語も堪能だったのでネットやいろんな
本を読んで自分で学んだんだとか。

滞在中の1週間、彼とはたくさん話をすることができた。
彼はずっとこう言っていた。

今は情報がたくさんあるけれど、何が本当で何が真実ではないか、
それはちゃんと自分で考えなければならない。
今は日中関係はよくないけれど、それは国と国の問題。
でも、民間のレベルではそれは問題じゃない。
日中関係がよくなくても、私が知っている日本人はみんないい人。
とてもいい人。
それが大切です。
国と国じゃない、人と人。この関係が大切です。　と。


彼と出会えて、本当にうれしかった。
日中関係が冷え込むこの時期に、彼に出会えたのも
なにかの縁だろうと思う。

きっとこれから、日本と中国との国レベルの関係がどうなろうと、
彼との友好関係は変わらない。絶対に。
わたしが中国で過ごした2年の間に出会った中国の人たちとの
関係もまた同じ。
1対1で、個人対個人で築いた関係はとても強く深い。

こんな出会いがあり、こんな交流があることを知ってほしい。
そして、そんな彼らが中国にいてくれる限り、
きっとこれからも中国と日本は、大丈夫。

今はまだそれほど自由に個人旅行ができないけれど、
何年後になるかはわからないけれど、
自分で自由に日本に来られるようになったら
必ずまたここに来ます。
そう約束して、お別れしました。





Guest House KURA（ゲストハウス蔵）
cheap and budget hostel in Suzaka, Nagano
http://www.ghkura.com/